原著
原発性肝内結石症における肝内胆管拡張と肝葉萎縮像より見た治療法の選択
大坪 光次, 藤尾 俊之, 古川 正人1)
長崎県離島医療圏組合上五島病院外科, 国立長崎中央病院外科1)
原発性肝内結石症と考えられる肝内型(I型)63例,肝内外型で肝内優位型(IE型)16例の計79例にcomputed tomography(CT)を施行した.CT所見としては肝葉萎縮46例(58.2%),肝内胆管拡張50例(63.3%),結石の石灰化70例(88.6%)がみられた.肝葉萎縮を重視し,I型からV型までの原発性肝内結石症分類を試みた.その結果,肝葉萎縮・肝内胆管拡張ともにはっきりしない群(I型)と高度の肝葉萎縮と肝内胆管拡張のみられる群(V型)およびその中間群(II・III・IV型)に分けることができた.治療法としては肝葉萎縮の無い群のI型は経過観察.II型は肝温存術を,肝葉萎縮群(III・IV・V型)は肝切除術を第1選択にすべきと考える.
索引用語
原発性肝内結石症, 肝内結石症のCT分類, 肝葉萎縮, 早期型肝内結石症
日消外会誌 22: 1078-1083, 1989
別刷請求先
大坪 光次 〒857-44 長崎県南松浦郡上立島町青方1549-11 長崎県離島医療圏組合上五島病院外科
受理年月日
1989年1月11日
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