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第22巻 第7号 1989年7月 [目次] [全文 ( PDF 987KB)]
原著

脂肪肝におけるアミノ酸代謝に関する研究

福井 四郎1), 青木 春夫1), 水島 康博2), 藤井 惇2), 池山 淳3), 滝 和美3), 早坂 滉4)

1)藤田学園保健衛生大学消化器外科, 2)四日市中央病院外科, 3)順和病院外科, 4)札幌医科大学第1外科

 乙型肝硬変症(以下乙型n=25)とその起因症である脂肪肝(n=10),肝線維症(n=23)の血漿遊離アミノ酸の相互関連性を検討することによって脂肪肝のアミノ酸代謝から程度を知ることを目的とし,成人(n=566)の正常値を1として比較検討した.総アミノ酸濃度は3群間に差はなく正常域値内の変動である.必須アミノ酸の総和は脂肪肝は0.80,肝線維症は0.79で,乙型の0.90より低い.分岐鎖アミノ酸総和はいずれの群も正常値の70%程度である.芳香族アミノ酸は脂肪肝1.22,肝線維症1.31,乙型1.59であり,Gln/Gluは脂肪肝0.55,肝線維症0.46,乙型0.42でこれらは肝障害の悪化に比例している.したがって,アミノ酸代謝の検討から肝障害の程度を知ることが可能である.

索引用語
脂肪肝, 肝線維症, 乙型肝硬変症, 遊離アミノ酸, 膵ホルモン

日消外会誌 22: 1768-1777, 1989

別刷請求先
福井 四郎 〒448 刈谷市井ケ谷町広沢1 愛知教育大学

受理年月日
1989年3月8日

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