原著
胃癌の進行度・治療法からみた年代別治療成績の検討
山村 義孝, 紀藤 毅, 平井 孝, 坂本 純一, 安井 健三, 加藤 知行, 安江 満悟, 宮石 成一, 中里 博昭
愛知県がんセンター消化器外科
1965~1982年を3期にわけ,同期間の全胃癌手術例3,434例を対象に,癌の進行度別,治療法別,年代別に術後生存率を比較した.
(1)後期において早期癌とくにm癌の増加と治癒切除率の上昇が認められた.(2)治癒切除例の5生率は前期(64.9%),中期(66.8%)に比べ,後期(71.4%)では有意に向上した.(3)pm,n(+)とss,n(+)例において手術単独例の5生率が後期で有意に上昇し,手術精度の向上によると思われた.そのため中期でみられた補助療法の効果が後期では認められなくなった.(4)pm,n(+)とss,n(+)以外の治癒切除例,非治癒切除例,非切除例では,補助療法の有無や年代による生存率の差を認めなかった.
索引用語
胃癌手術, 胃癌補助療法, 胃癌手術単独例, 進行度別胃癌術後生存率, 年代別胃癌術後生存率
日消外会誌 22: 1987-1994, 1989
別刷請求先
山村 義孝 〒464 名古屋市千種区鹿子殿1-1 愛知県がんセンター消化器外科
受理年月日
1989年4月12日
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