原著
十二指腸潰瘍緊急手術例の臨床的検討
塚本 秀人, 桜本 信一, 渥美 純夫, 蔵並 勝, 三重野 寛喜, 高橋 俊毅, 榊原 譲, 比企 能樹, 阿曽 弘一
北里大学外科
十二指腸潰瘍緊急手術例111例(穿孔101例,出血10例)の手術術式を中心に検討を行った.術式の内訳は広範囲胃切除術(以下広範胃切)が75例と多く,選択的迷走神経切離術兼幽門洞切除術(selective vagotomy+antrectomy以下SV+A)を主体とする迷切付加手術は32例であった.術式の年次別推移をみると,1980年までは広範胃切が大部分でSV+Aの症例はなかったが,1980年までに広範胃切を行った56例中2例(3.6%)に吻合部潰瘍の発生をみたことから,1981年以降は緊急手術においても迷切付加手術が望ましいと考えてSV+Aを基本術式とし,SV+Aが55%と過半数を占めるようになった.
索引用語
十二指腸潰瘍の緊急手術, 選択的迷走神経切離術兼幽門洞切除術
日消外会誌 22: 2004-2008, 1989
別刷請求先
塚本 秀人 〒228 相模原市北里1-15-1 北里大学医学部外科
受理年月日
1989年4月12日
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