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第22巻 第8号 1989年8月 [目次] [全文 ( PDF 690KB)]
原著

肝切除後肝再生に及ぼす肝動脈血流維持の意義に関する実験的検討

寺本 修, 宮崎 勝, 越川 尚男, 宇田川 郁夫, 奥井 勝二

千葉大学医学部第1外科

 肝切後肝再生時の肝動脈血流欠如の影響を基礎的に検討した.68%肝切除群(HTX単独群)と肝動脈結紮+68%肝切除群(HAL+HTX群)を作製した.残肝組織血流は前値に比べHTX単独群では軽度上昇する(p<0.001)がHAL+HTX群では変化をみない.HAL+HTX群ではHTX単独群に比べ血清GOT,GPT値はより上昇し肝DNA合成能は49%の抑制を認め(p<0.001),また生存率も有意の低下を示した(p<0.05).さらに肝組織の過酸化脂質値およびGSH値の変動を比較すると両群間に差異を認めなかった.以上より肝切後肝再生時の肝動脈血流の欠如は肝再生を著明に抑制するが,この抑制には肝組織過酸化脂質の上昇機構は関わっていないことが示唆された.

索引用語
肝動脈血流, 肝切除後肝再生, 肝組織血流, 肝組織過酸化脂質値

日消外会誌 22: 2025-2031, 1989

別刷請求先
寺本 修 〒280 千葉市亥鼻1-8-1 千葉大学医学部第1外科

受理年月日
1989年4月12日

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