胆道癌の外科

羽生　富士夫

東京女子医科大学消化器外科

　胆道癌の外科治療成績向上のために，胆管癌切除例117例，胆嚢癌切除例156例の進展様式・手術成績，再発様式を検討した．胆管癌の先進部進展様式は，長軸方向では脈管を介しての線筋層，外膜進展が最も多く，側方では直接浸潤，脈管侵襲，神経侵襲がほぼ同率にみられた．切除率45％，対切除治癒切除率（組織学的）23％で，非治癒切除になった因子として局所因子（＋）がきわめて高率であった．5生率は24.2％で，非治癒切除が有意に不良であった．肉眼的治癒切除の再発様式は局所再発が78％と最も多かった．胆嚢癌の進展様式は多様で，リンパ節転移は59％に認めた．切除率42％，対切除治癒切除率49％，5生率は32.6％で非治癒切除が有意に不良であった．再発様式は局所再発が68％と多かった．

索引用語
胆嚢癌, 胆管癌, 胆道癌の進展様式, 胆道癌の手術成績, 胆道癌の再発様式

別刷請求先
羽生富士夫　〒162　新宿区河田町8-1　東京女子医科大学消化器外科

受理年月日
1989年6月7日

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