早期，表在食道癌切除23例の臨床病理学的検討

山田　明, 島崎　邦彦, 小田切　治世, 坂本　隆, 唐木　芳昭, 田沢　賢次, 藤巻　雅夫

富山医科薬科大学第2外科

　食道癌切除例124例中（扁平上皮癌以外の悪性腫瘍を含む），早期癌および表在癌は23例（18.5％）であった．深達度別ではep 2例，mm 9例，sm 12例である．リンパ節転移，脈管侵襲についてみると，ep，mm癌ではいずれも陰性であったが，sm癌ではリンパ節転移や脈管侵襲の頻度が非常に高率であった（n（＋）＝33.3％，ly（＋）＝50.0％，n（＋）and/or ly（＋）＝66.7％）．また，胸部食道癌の4例に頸部，後縦隔にリンパ節再発を認めた（mm癌2例，sm癌2例；右開胸的切除2例，非開胸的食道抜去法2例）ことより，深達度mm以上の胸部食道癌の外科的手術においては頸，胸，腹の3領域にわたるリンパ節郭清の必要性があり，非開胸的食道抜去法の危険性が認識された．

索引用語
早期, 表在食道癌の予後, 非開胸的食道抜去法, 早期, 表在食道癌の再発形式, 早期, 表在食道癌のリンパ節転移, 脈管侵襲, 食道sm癌の悪性度

別刷請求先
山田　明　〒930-01　富山市杉谷2630　富山医科薬科大学第2外科

受理年月日
1989年4月12日

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