原著
第3群リンパ節転移陽性早期胃癌の検討(核DNA量からみたリンパ節転移について)
石川 啓, 平野 達雄, 田川 泰, 中越 享, 清水 輝久, 草野 裕幸, 宮下 光世, 高平 良二, 下山 孝俊, 富田 正雄, 三浦 敏夫*
長崎大学医学部第1外科, 長崎大学医療技術短期大学部*
n3(+)早期胃癌5例の原発巣と転移リンパ節の核DNA量をフローサイトメーターを用いて測定し,特に核DNA量の面からリンパ節転移の特徴を検討した.n3(+)早期胃癌には深達度sm,占居部位A,肉眼型IIa+IIcが多い傾向が認められ,第3群リンパ節の中では12番リンパ節に転移の頻度が高く,その予後は著しく不良であった.また原発巣の核DNA量はn-numberの増加に伴って,DNA aneuploidyが優位となり,n3(+)症例では3例すべてDNA aneuploidyであった.n3(+)症例における原発巣と転移リンパ節のDNA index値は3例中2例で一致したが,1例では転移リンパ節においてDNA multiploidyを示した.
索引用語
第3群リンパ節転移陽性早期胃癌, 早期胃癌組織(リンパ節)核DNA量, フローサイトメトリー
日消外会誌 22: 2223-2229, 1989
別刷請求先
石川 啓 〒852 長崎市坂本町7-1 長崎大学医学部第1外科
受理年月日
1989年4月12日
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