原著
5型胃癌の臨床病理学的検討
曽和 融生, 加藤 保之, 西村 昌憲, 久保 俊彰, 前川 仁, 梅山 馨
大阪市立大学第1外科
5型胃癌119例の肉眼形態から5-I型(49例),5-II型(47例),5-III型(20例),5-IV型(3例)の4型に亜分類し,臨床病理学的に検討した.5-II型胃癌は5-I型に比べ高分化型癌は少なく,中分化型癌が多くみられた.5-III型,5-IV型では低分化癌が多くなり,5-IV型では全例低分化型癌であった.深達度ではpm癌が5-I型で75.5%を占め,他型とで有意に多くみられた.リンパ節転移頻度では5-I型と5-II型との間に差はなかいが,5-III型,5-IV型にその頻度が高かった.5生率では5-I型が91.0%ときわめて良好で,一方5-IV型では5生例はみられなかった.したがって5型胃癌の中に予後の良好な群ときわめて不良な群が混在し,臨床病理学的にも異なるものが包括されていることから5型胃癌の再検討の必要を指摘した.
索引用語
胃癌肉眼的分類, 5型胃癌, 胃癌リンパ節転移
日消外会誌 22: 2230-2235, 1989
別刷請求先
曽和 融生 〒545 大阪市阿倍野区旭町1-4-5 大阪市立大学医学部第1外科
受理年月日
1989年5月8日
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