原著
胃癌胃全摘例における脾動脈幹リンパ節郭清のための膵温存・脾動脈切除法の意義
秋田 信行, 岩永 剛, 古河 洋, 平塚 正弘, 今岡 真義, 福田 一郎, 石川 治, 甲 利幸, 佐々木 洋, 大東 弘明, 亀山 雅男, 柴田 高
大阪府立成人病センター外科
脾動脈幹((11)番)リンパ節の郭清のために膵体尾合併切除が必要かどうかを,m癌,Stage IVを除く最近の胃癌全摘例110例を対象に検討した.膵尾・脾合併切除(合切+)55例と膵温存,脾動脈切除,摘脾(合切-)の55例をStage別に分けて,術後生存率,(11)番リンパ節郭清度,術後合併症につき比較した.5生率は合切(-),合切(+)ともに86%,(11)番リンパ節郭清平均個数は合切(-)で4.1個,合切(+)で4.6個であった.術後75 g-OGTTにおいて合切(-)ではすべて正常型であったが,合切(+)では39%に悪化がみられた.
以上より合切(-)の方が術後障害も少なく,また(+)分な郭清効果も得ることができると考えられた.
索引用語
胃癌胃全摘術, 脾動脈幹リンパ節郭清, 膵脾合併切除術, 膵温存胃全摘術
日消外会誌 22: 2236-2241, 1989
別刷請求先
秋田 信行 〒640 和歌山市7番丁27 和歌山県立医科大学胸部外科
受理年月日
1989年5月8日
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