原著
胆管内発育型肝細胞癌6例の臨床放射線学的検討
小西 大1), 高安 賢一, 森山 紀之, 村松 幸男, 松江 寛人, 山田 達哉, 長谷川 博2), 岡崎 伸生3), 広橋 説雄4)
国立がんセンター病院放射線診断部1), 外科2), 内科3), 同研究所病理部4)
胆管内発育型肝細胞癌6例について,画像診断を中心とした臨床的検討を行った.血液検査では,α-fetoprotein(AFP)が83%,carbohydorate antigen 19-9(CA19-9)が75%の症例に高値を呈し,経過中黄疸の消長が半数にみられた.各種画像診断による主病巣の質的診断率は,超音波83%,computed tomography(CT)67%,血管造影100%であり,一方胆管内発育の存在診断率は,胆道造影100%,CT 67%,超音波50%,血管造影17%であった.これら画像診断により全例胆管内発育型肝細胞癌と診断され,うち2例は肝切除後健在である.したがって本疾患に特異な黄疸の自然消長と画像診断所見を念頭におけば,早期診断とともに肝切除も可能となり,予後延長につながると考えられる.
索引用語
肝細胞癌(胆管内発育型―), icteric type hepatoma, 黄疸の消長, 画像診断
日消外会誌 22: 2269-2274, 1989
別刷請求先
小西 大 〒104 中央区築地5-1-1 国立がんセンター放射線診断部
受理年月日
1989年4月12日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|