原著
胆管ドレナージカテーテルに対する胆管の組織反応に関する研究
岡本 勝司, 長谷川 洋, 二村 雄次
名古屋大学医学部第1外科
胆管ドレナージカテーテルの材質による胆管の組織反応の差を知る目的で,家兎を用いてカテーテルによる胆道内瘻化モデルを作成し,シリコン,塩化ビニール,ポリウレタン製のカテーテルに対する組織反応を検討したところ,塩化ビニール留置群において粘膜剥脱,炎症性細胞浸潤,結合織増生などの炎症反応が高度であった.また臨床例において塩化ビニール製カテーテルによる胆管粘膜の変化を経皮経肝胆道鏡により観察したところ,ビラン,肉芽組織形成が観察され,これらの所見は病理組織学的には,粘膜の剥脱と,これに続くフィブリンの析出,肉芽形成によるものと判明した.
索引用語
胆管ドレナージカテーテル, 胆管の組織反応, 経皮経肝胆道鏡, 胆管の肉芽組織
日消外会誌 22: 2275-2282, 1989
別刷請求先
岡本 勝司 〒466 名古屋市昭和区鶴舞町65 名古屋大学医学部第1外科
受理年月日
1989年4月12日
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