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第22巻 第9号 1989年9月 [目次] [全文 ( PDF 942KB)]
原著

粘膜下層浸潤大腸癌および固有筋層浸潤大腸癌の臨床病理学的研究―とくに術前・術中超音波診断との関連において―

大谷 剛正

北里大学医学部外科

 粘膜下層浸潤大腸癌および固有筋層浸潤大腸癌につき,治療方針決定のための術前定量的診断を可能にする目的から臨床病理学的検討を行った.肉眼型ではsm癌31例中の陥凹型sm癌3例はすべてsmlc以下で,pm癌では2型が35例中16例をしめた.リンパ節転移はsm癌で7例:23%に認め,特にsmlc以下の陥凹型と低分化腺癌例に高率であった.pm癌のリンパ節転移は11例;31.5%で,n2以上が3例;8.7%であり,R3リンパ節郭清が必要であると考えられた.また,超音波による深達度診断の正診率は88.4%であり,手術方針の決定に有用であった.再発例は,sm癌で2例;6.5%に,pm癌で6例;17.1%に認め,10年生存率はsm癌で96.8%,pm癌で80.4%であった.

索引用語
粘膜下層浸潤大腸癌, 固有筋層浸潤大腸癌, 大腸癌再発, 大腸癌超音波診断, 大腸癌脈管侵襲

日消外会誌 22: 2283-2291, 1989

別刷請求先
大谷 剛正 〒228 相模原市麻溝台2-1-1 北里大学東病院消化器疾患治療センター外科

受理年月日
1989年5月8日

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