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第22巻 第10号 1989年10月 [目次] [全文 ( PDF 383KB)]
原著

Borrmann 4型胃癌の治療成績の検討

江端 俊彰, 浅石 和昭, 佐藤 卓, 一条 正彦, 阿部 俊英, 高島 健, 中野 昌志, 早坂 滉

札幌医科大学第1外科

 Borrmann 4型胃癌84例を対象として,臨床病理学的特徴より,手術成績と予後との関係につき検討した.Borrmann 4型胃癌の治癒切除率は52.4%であり,胃全摘術,臓器合併切除が72.9%と高率であった.肉眼的腹膜播種性転移(P因子)陽性例が44.4%と高率で,組織型では低分化型腺癌が85%を占めた.Borrmann 4型胃癌の亜型分類では,びらん型,すうへき型の深達度が深く,リンパ管侵襲の強い傾向があった.Borrmann 4型胃癌の5年生存率は8.6%,治癒切除例の5年生存率は18.8%であった.亜型分類による5年生存率は,びらん型8.3%,すうへき型20.0%,表層IIc型60.0%,狭窄型70.0%とBorrmann 4型胃癌の亜型により著しい差が認められた.

索引用語
Borrmann 4型胃癌, Borrmann 4型胃癌の亜型分類, Borrmann 4型胃癌の手術術式, 胃癌5年生存率

日消外会誌 22: 2344-2347, 1989

別刷請求先
江端 俊彰 〒060 札幌市中央区南1条西16丁目 札幌医科大学第1外科

受理年月日
1989年6月7日

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