原著
肝内結石症に対する外科治療の検討―術後胆管炎発症の観点より―
牧野 弘之, 弘中 武*, 山岸 久一, 能見 伸八郎, 内藤 和世, 園山 輝久, 鴻巣 寛, 塚本 賢治, 糸井 啓純, 岡 隆宏
京都府立医科大学第2外科, 湖北総合病院*
肝内結石症に対する外科的治療法選択のために10年間に教室で手術した肝内結石症22例のべ27回の手術症例をもとに,術後胆管炎の発症さらにその原因として遺残結石,再発結石,胆管狭窄の残存について検討した.術後胆管炎はこれらの要因が絡み合って発症し,肝切除術では総胆管消化管吻合術に比較してその発症は低率であった.肝切除術は肝内胆管に狭窄を有する肝内型および肝内優位型に施行され良好な成績であったが,総胆管空腸吻合術,十二指腸乳頭形成術では遺残結石,術後胆管炎の発症とも多くみられ成績は不良であった.
索引用語
肝内結石症, 肝切除術, 術後胆管炎
日消外会誌 22: 2371-2374, 1989
別刷請求先
牧野 弘之 〒602 京都市上京区河原町通広小路上ル梶井町465 京都府立医科大学第2外科
受理年月日
1989年5月8日
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