肝内末梢型胆管細胞癌の臨床病理学的検討

沼田　和司^1）, 高安　賢一^1）, 村松　幸男^1）, 森山　紀之^1）, 松江　寛人^1）, 山田　達哉^1）, 長谷川　博^2）, 岡崎　伸生^3）, 広橋　説雄^4）

国立がんセンター病院放射線診断部^1）, 同　外科^2）, 同　内科^3）, 同　研究所病理^4）

　病理組織学的に診断された肝内末梢型胆管細胞癌13例の臨床病理学的検討を行った．超音波で発見された例は85％でそのうち55％が無症状であった．血液検査ではcarbohydrate antige 19-9の異常高値を50％の症例に認めた．病理組織学的検討では，11例が管状～乳頭状腺癌で他の2例は嚢胞状腺癌であった．超音波，computed tomography，血管造影では腺癌を示唆する所見が得られたが，特に造影CTでは末梢肝内胆管の拡張（46％）と，早期の腫瘍辺縁の染まり（80％），晩期のperipherallow density（50％）が特徴的であった．以上より肝内胆管細胞癌の早期診断には50歳以上を対象とした超音波によるスクリーニングが不可欠であると考えられた．

索引用語
肝内胆管細胞癌の臨床病理像, 肝内胆管細胞癌の画像診断

別刷請求先
沼田　和司　〒104　中央区築地5-1-1　国立がんセンター放射線診断部

受理年月日
1989年5月8日

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