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第22巻 第10号 1989年10月 [目次] [全文 ( PDF 583KB)]
原著

大腸癌の血行性転移における血中プロスタグランジンE2の意義

日下 尚志, 成澤 富雄, 小棚木 均, 高橋 政弘, 丹羽 誠, 小山 裕文, 山崎 好日児, 小山 研二

秋田大学第1外科

 大腸癌31例の癌占居局所静脈血,末梢静脈血および癌組織のプロスタグランジンE2(PGE2)を測定し,血行転移との関係を検討した.局所血PGE2は対照とした早期胃癌10例の中結腸静脈血PGE2に比べて有意に高値であり(905±179:82±11 pg/ml),癌腫径,深達度,癌組織PGE2と相関した.末梢血PGE2は対照例のそれより高値であり(45±8:21±3 pg/ml),局所血PGE2と相関した.肝あるいは肺転移9例の末梢血PGE2は非転移例に比べて有意に高値であった(96±23:38±10 pg/ml).癌腫内の多量産生に起因する局所血PGE2高値が血行転移を促進した可能性,また末梢血PGE2高値が血行転移の指標となりうることを示唆していた.

索引用語
大腸癌血行性転移, 大腸癌組織プロスタグランジンE2, 大腸癌血中プロスタグランジンE2

日消外会誌 22: 2408-2413, 1989

別刷請求先
日下 尚志 〒010 秋田市本道1-1-1 秋田大学医学部第1外科

受理年月日
1989年5月8日

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