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第22巻 第10号 1989年10月 [目次] [全文 ( PDF 415KB)]
特集

進行上部胃癌に対する摘脾,膵体尾部温存術式の検討

本田 一郎, 藤田 昌宏, 渡辺 一男, 竜 崇正, 渡辺 敏, 坂本 薫, 川上 義弘, 大森 幸夫

千葉県がんセンター消化器科, 池田ワコー病院

 進行上部胃癌に対する膵体尾部温存術の適応の有無を検討した.対象は治癒切除のなされた143例である.(11)番リンパ節の郭清はS2といえども脾動脈幹切除により残った膵体尾部の半連続切片による検索でもリンパ節が見られず,また転移リンパ節からの膵実質浸潤もないので可能である.S2例の潜在性膵実質浸潤は7.3%にすぎない.したがってS2例の大半は膵体尾部温存術の適応がある.S3(膵),および明らかな(11)番転移を有する例,また,潜在性の腹膜再発の危険のあるものには膵脾合併切除術では不十分で,治癒切除が望めるのなら左上腹部臓器全摘術を行うべきと考える.いずれにしろS2に対する処置が重要である.

索引用語
進行上部胃癌, 膵体尾部温存術, 脾動脈幹切除

日消外会誌 22: 2482-2485, 1989

別刷請求先
本田 一郎 〒280 千葉市仁戸名町666-2 千葉県がんセンター消化器科

受理年月日
1989年5月8日

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