特集
胃中部を占める進行癌の手術
平塚 正弘, 古河 洋, 岩永 剛, 甲 利幸, 今岡 真義, 福田 一郎, 石川 治, 佐々木 洋, 亀山 雅男, 大東 弘明, 柴田 高, 小山 博記
大阪府立成人病センター外科
進行胃癌根治手術例の5年生存率を占居部位別にみると,胃中部癌は65.2%で,最も良好であった.胃中部癌の再発形式は,リンパ節再発が少く(4%),腹膜再発が高率(54%)であった.M,MA,MCでは,第3群以上リンパ節への転移は2%以下と低率で,R2郭清により,リンパ節再発を抑制できる症例が多いと考えられた.一方,遠隔成績が極めて不良であるBorrmann 4型胃癌は,胃中部を中心とする例が最も多く,これに対する左上腹内臓全摘術+Appleby手術の3年生存率はstage II+IIIで71%であり,従来の胃全摘術の51%に比べて生存率を向上させることができた.播種型腹膜再発を防止する目的で,mitomycin C腹腔内大量投与を行っている.
索引用語
胃中部進行癌, 切除胃断端組織診, Borrmann 4型胃癌の手術
日消外会誌 22: 2490-2493, 1989
別刷請求先
平塚 正弘 〒537 大阪市東成区中道1-3-3 大阪府立成人病センター外科
受理年月日
1989年5月8日
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