特集
遠隔成績よりみた進行胃癌に対するリンパ節郭清範囲の決定
石本 喜和男, 谷村 弘, 田伏 洋治, 永井 祐吾, 田伏 克惇, 谷口 勝俊, 青木 洋三
和歌山県立医科大学消化器外科
進行胃癌のうち,R2以上のリンパ節郭清を施行しえたA領域癌150例,M領域癌178例およびC領域癌100例を対象に,組織学的リンパ節転移率を検討し,手術時のリンパ節郭清の差が遠隔成績に及ぼす影響を,R1と比較して検討した.リンパ節郭清の意義が5年生存率に最もよく反映されるのはA,M領域のstage IIとM領域のstage III症例であることが判明した.C,CMにMCを含めた進行癌に対する胃全摘時の脾摘または膵脾合併切除の是非については,5生率からは差は得られなかったが,膵脾合併切除例で10,11番リンパ節転移率が高率なこと,stage IVの全摘の5年生存例4例全例が膵合併切除例であったことより,積極的な合併切除によるリンパ節郭清が重要であるといえる.
索引用語
進行胃癌, リンパ節郭清, 遠隔成績
日消外会誌 22: 2494-2497, 1989
別刷請求先
石本喜和男 〒640 和歌山市七番町27 和歌山県立医科大学消化器外科
受理年月日
1989年5月8日
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