進行胃癌に対する拡大根治術と温熱化学療法の成績

米村　豊, 藤村　隆, 鎌田　徹, 杉山　和夫, 長谷川　啓, 大山　繁和, 小坂　健夫, 山口　明夫, 三輪　晃一, 宮崎　逸夫

金沢大学第2外科

　われわれの行ってきた拡大根治術の適応と根拠について進行胃癌治癒切除例384例の手術成績をもとに考察し以下の成績をえた．1）大動脈周囲リンパ節（No．16）郭清術（R₄）により生存率がR₂，R₃より改善した．R₄の適応はN₂，N₃症例で，C領域癌ではNo．16．a₂，b₁．lateralをより徹底し，M，A領城ではNo．16．a₂，b₁両側の郭清が必要である．2）胃下部癌では膵頭十二指腸切除術によりps（＋）でn₃，十二指腸浸潤例，si症例で膵頭部温存術式より生存率が有意に改善した．3）温熱化学療法は腹膜再発の予防，腹膜播種の治療に有効であった．

索引用語
胃癌拡大根治術, 大動脈周囲リンパ節, 膵頭十二指腸切除

別刷請求先
米村　豊　〒920　金沢市宝町13-1　金沢大学医学部第2外科

受理年月日
1989年5月8日

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