胃癌の超拡大郭清における腹部大動脈周囲リンパ節郭清術式

高橋　滋, 徳田　一, 松繁　洋, 竹中　温, 泉　浩, 藤井　宏二, 加藤　誠

京都第二赤十字病院外科

　胃癌に対する超拡大郭清術式の適応と，超拡大郭清における腹部大動脈周囲リンパ節の郭清方法について述べる．
　1）術前診断でps（＋）が疑われる場合，上腹部山型横切開もしくは斜め胴ぎりで開腹する．
　2）上部胃癌あるいは肉眼的に漿膜浸潤が疑われる症例は超拡大郭清の適応と考えられる．
　3）腹部大動脈周囲リンパ節の郭清は胃癌の占居部位によらず，まず左右両側の後腹膜腔からapproachをおこない，No．（16）a-2，b-1およびb-2の一部を郭清する．症例により横隔膜脚とともにa-1も郭清する．
　4）超拡大郭清により，約30個のn₄リンパ節が郭清される．

索引用語
胃癌, 腹部大動脈周囲リンパ節, 超拡大郭清

別刷請求先
高橋　滋　〒602　京都市上京区釜座通丸太町上ル春帯町355-5　京都第2赤十字病院外科

受理年月日
1989年5月8日

PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です