特集
膵頭部領域癌の進展様式よりみた広範囲拡大郭清膵頭十二指腸切除術の適応
永川 宅和, 上野 桂一, 太田 哲生, 上田 順彦, 前田 基一, 小林 弘信, 中村 隆, 中野 泰治, 角谷 直孝, 宮崎 逸夫
金沢大学第2外科, 金沢大学医療技術短期大学部
膵頭部領域癌の治療成績について検討したところ,膵頭部癌や膵内胆管癌ではかなりの率に局所の非治癒切除をみ,リンパ節転移に対するリンパ節郭清の効果が十分でなかった.膵頭部癌では(16)リンパ節郭清を下大静脈または左腎静脈切離によって行い,門脈合併切除,smaの合併切除が必要である.膵内胆管癌では(16)リンパ節郭清を行うが,下部胆管上部の癌腫では門脈合併切除が必要で,sma周囲神経叢の完全切除は変らないか,リンパ節郭清はさらに徹底しなければならない.乳頭部癌では(16)リンパ節郭清は前面にとどめる程度とし,sma周囲のリンパ節郭清や神経叢切除は膵内胆管癌に準ずる程度とするのが妥当と思われた.
索引用語
膵頭部領域癌, 広範囲拡大郭清膵頭十二指腸切除術, 拡大郭清膵頭十二指腸切除術の手術適応
日消外会誌 22: 2511-2515, 1989
別刷請求先
永川 宅和 〒920 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部第2外科
受理年月日
1989年5月19日
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