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第22巻 第10号 1989年10月 [目次] [全文 ( PDF 463KB)]
特集

胆嚢癌に対する膵頭十二指腸切除術の意義

田代 征記, 平岡 武久, 内野 良仁, 辻 龍也, 宮内 好正

熊本大学医学部第1外科

 最近,進行胆嚢癌では,その進展様式からPDの必要性が論じられている.そこで自験例のss以上の癌の進展様式とPDを施行した16例の検索から胆嚢癌におけるPDの意義を検討した.ss以上の癌では上腹部の広い範囲のリンパ節転移(n2以上),肝十二指腸間膜浸潤(Binf),十二指腸浸潤を来たしやすく,治癒切除を行うためにはPDの適応となる症例が多い.またBinfを来たした症例では上方下方への胆管に沿う浸潤がみられ,下方へ乳頭部まで浸潤を来たした症例があった.このような症例はPDをしなければ,根治術は不可能である.PD施行例の生存成績からss癌が最もよい適応で,se癌のstage IIIまでがよい適応となるものと考えられた.

索引用語
胆嚢癌, 膵頭十二指腸切除

日消外会誌 22: 2525-2529, 1989

別刷請求先
田代 征記 〒860 熊本市本荘1-1-1 熊本大学医学部第1外科

受理年月日
1989年5月22日

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