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第22巻 第10号 1989年10月 [目次] [全文 ( PDF 391KB)]
特集

膵頭十二指腸切除術後の遠隔期における病態生理

小針 雅男, 川口 信哉, 木村 良直, 浅野 晴彦, 網倉 克己, 武田 和憲, 佐々木 巌, 松野 正紀

東北大学第1外科

 教室で経験した膵頭十二指腸切除術172例について術後遠隔時における膵内外分泌機能,栄養状態からみた病態生理を検討した.術後長期経過例の耐糖能は境界型が58.8%,正常型が32.4%で術前の耐糖能を維持した.PABA排出試験も再発のない例では術後早期の値を維持した.血清アルブミン値は比較的高値を示し,体重は5年以上経過例では10%の増加を示した.術後早期に剖検した膵管空腸吻合口閉塞例では膵実質の線維化が高度であった.以上により,膵頭十二指腸切除術後においては術後早期には膵内外分泌機能の低下がみられるものの,長期経過例では残膵機能は比較的よく保たれるものと考えられた.

索引用語
膵頭十二指腸切除術, 膵頭十二指腸切除遠隔時の病態, 膵内外分泌機能

日消外会誌 22: 2540-2543, 1989

別刷請求先
小針 雅男 〒980 仙台市青葉区星陵町1-1 東北大学医学部第1外科

受理年月日
1989年5月8日

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