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第22巻 第11号 1989年11月 [目次] [全文 ( PDF 555KB)]
原著

食道静脈瘤硬化療法における効果不良例の検討

小山 広人, 平田 勝, 張 紹泰, 皆川 正己, 橋本 雅司, 柴崎 正幸, 国土 典宏, 坂本 裕彦, 大橋 一雅, 三條 健昌, 出月 康夫

東京大学第2外科

 Ethanolamine oleate(E.O.)による食道静脈瘤硬化療法をうけた症例を有効群(1年以上再発を認めなかったもの)12例,効果不良群(3回以上の施行によっても改善のみられないもの,あるいは3か月以内に再発したもの)15例にわけ,硬化療法の効果,再発を予防しうる因子につき検討した.
 肝機能,腹水の有無,Child分類では差がなく,(1)静脈瘤消失に要したE.O.量(≧25~30 ml),(2)経過中にみられる霜降り状の特異的発赤所見や細静脈増生などの内視鏡所見,(3)基礎疾患として多発生肝癌,門脈腫瘍栓の併存などが効果不良,あるいは再発を予測するのに有用と考えられた.また,閉塞肝静脈圧(≧24 mmHg),静脈瘤穿刺圧(≧28 mmHg)などから効果を予測できる可能性がある.

索引用語
食道静脈瘤内視鏡硬化療法, 静脈瘤穿刺圧

日消外会誌 22: 2549-2554, 1989

別刷請求先
小山 広人 〒113 文京区本郷7-3-1 東京大学医学部第2外科

受理年月日
1989年6月7日

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