原著
潰瘍性大腸炎手術症例の検討
東郷 杏一, 川口 貢, 奥野 匡宥, 池原 照幸, 長山 正義, 鎗山 秀人, 本吉 宏行, 西森 武雄, 梅山 馨, 北野 厚生*, 小林 絢三*
大阪市立大学第1外科, *同 第3内科
当教室で外科的治療が行われた潰瘍性大腸炎15例を対象に検討を加えた.発症時年齢は平均29.7歳であり,男性11例,女性4例であった.罹患部位別では全大腸炎型12例,左側大腸炎型3例,重症度別分類では重症8例,中等症7例であった.合併症は白内障,両側大腿骨頭壊死,静脈血栓症,痔疾患などがみられた.手術適応は,緊急手術が5例(大出血3例,穿孔1例,中毒性巨大結腸症1例)であり,準緊急手術が1例,待期手術が9例であった.手術術式は,結腸全摘・回腸直腸吻合術7例,結腸全摘・回腸瘻造設術5例,大腸全摘・回腸瘻造設術2例,盲腸瘻造設術1例であった.術後は12例においてほぼ満足した社会生活を営んでいた.
索引用語
潰瘍性大腸炎手術適応, 潰瘍性大腸炎手術術式, 潰瘍性大腸炎手術成績, 潰瘍性大腸炎合併症
日消外会誌 22: 2655-2659, 1989
別刷請求先
東郷 杏一 〒545 大阪市阿倍野区旭町1-5-7 大阪市立大学医学部第1外科
受理年月日
1989年7月10日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|