進行胃癌治癒切除例の組織分化型よりみた臨床病理学的検討

宮本　幸男, 竹下　正昭, 大和田　進, 川井　忠和, 内田　治, 泉雄　勝

群馬大学医学部第2外科

　進行胃癌治癒切除例のうち乳頭腺癌，管状腺癌をあわせた187例を分化型とよび，低分化腺癌，印環細胞癌をあわせた240例を未分化型とし臨床病理学的特徴を検討し以下の結果であった．分化型は高齢（61歳）で男性に，ps（＋）例でly₂以上が63％で未分化型の53％に比べ有意に多かった．未分化型はINFγ72％で分化型の56％に比べ，ps（＋）例でn₂以上が49％と分化型の30％に比べいずれも有意に高かった．5年生存率は全体では両組織型とも50％台であった．その他の因子による検討でも大きな差はみられなかったがV_2～3例の分化型46％に比べ，未分化型は29％で有意に予後不良であった．

索引用語
histological type of gastric cancer

別刷請求先
宮本　幸男　〒371　前橋市昭和町3-39-15　群馬大学医学部第2外科

受理年月日
1989年7月10日

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