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第22巻 第12号 1989年12月 [目次] [全文 ( PDF 508KB)]
原著

肝区域間境界に位置する肝細胞癌に対する肝切除術

塚本 賢治, 鴻巣 寛, 弘中 武, 園山 輝久, 牧野 弘之, 野中 雅彦, 糸井 啓純, 内藤 和世, 山岸 久一, 岡 隆宏

京都府立医科大学第2外科

 肝区域辺縁に位置する肝癌の切除法と残肝再発の関係について肝癌切除103例を対象として検討した.区域境界に接する肝癌の切除肝では隣接区域転移は6%,被膜外浸潤は64%に認められた.残肝再発は,腫瘍辺縁を核出した(亜)区域切除単独10例中8例に,担癌区域の(亜)区域切除に隣接区域部分切除または(亜)区域切除を追加した11例中3例に認めた.区域境界を越え隣接区域にまたがり存在する肝癌では,切除肝の24%に隣接区域転移が認められた.(亜)区域切除単独または隣接区域部分切除の7例中4例が再発したが,隣接区域(亜)区域切除を追加した8例に再発はなかった.腫瘍の存在位置に適した隣接区域の切除を追加すれば,残肝再発を防止しうる可能性が示唆された.

索引用語
肝細胞癌肝切除, 区域境界に存在する肝細胞癌, 肝細胞癌の残肝再発

日消外会誌 22: 2799-2803, 1989

別刷請求先
塚本 賢治 〒602 京都市上京区河原町通広小路上ル梶井町465 京都府立医科大学第2外科

受理年月日
1989年7月10日

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