原著
腹部血管造影による消化器癌腹膜転移の診断
塩飽 保博, 沢井 清司, 大同 毅, 伊藤 彰芳, 横田 隆, 谷口 弘毅, 高橋 俊雄, 大野 浩司*, 藤田 正人*
京都府立医科大学第1外科, *同 放射線科
術前に血管造影を行い,開腹術にて所見の判明した167例の消化器癌(胃癌100例,大腸癌50例,胆道癌11例,膵癌6例)を対象として,血管造影の腹膜転移所見および診断能の検討を行った.胃大網動脈の大網枝や結腸の腸間膜動脈などのラセン化が,腹膜転移に特徴的な所見であった.血管造影による腹膜転移診断のsensitivityは70.4%(19/27),specificityは95%(133/140),overall accuracyは91%(152/167)であり,他の画像診断と比べ高率に腹膜転移を診断しえた.
索引用語
腹部血管造影, 消化器癌腹膜転移診断
日消外会誌 22: 2820-2824, 1989
別刷請求先
塩飽 保博 〒602 京都市上京区河原町通広小路上ル梶井町465 京都府立医科大学第1外科
受理年月日
1989年9月19日
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