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第23巻 第1号 1990年1月 [目次] [全文 ( PDF 420KB)]
症例報告

上行結腸腹膜垂炎の1例

福本 泰三, 谷木 利勝, 田中 克浩, 小西 康備, 住友 正幸, 佐尾山 信夫, 原田 邦彦, 門田 康正

徳島大学医学部第2外科

 右下腹部痛を主訴とする36歳の男性で,急性虫垂炎の診断の下に開腹したところ,虫垂には異常所見は認めず,上行結腸腹膜垂が暗赤褐色を呈し,一部壊死状で茎部は非常に細く,捻転に基づく血行障害による腹膜垂炎と考えられる症例を経験した.
 本症の原因としては,腹膜垂の捻転による血行障害が重視されており,自験例も同様の原因によるものであった.しかし本邦報告例の中には,血行障害が原因ではないと考えられる例も散見される.この点より腹膜垂炎には2つのタイプがあり,血行障害型腹膜垂炎と非血行障害型腹膜垂炎に分類できる.
 われわれが経験した上行結腸腹膜垂炎の1例を報告するとともに,本症の原因を中心に若干の文献的考察を行った.

索引用語
epiploic appendagitis

日消外会誌 23: 99-102, 1990

別刷請求先
福本 泰三 〒770 徳島市蔵本町2-50-1 徳島大学医学部第2外科

受理年月日
1989年10月11日

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