症例報告
慢性胃蜂窩織炎の2例
酒井 憲見, 朔 元則*, 内藤 英明, 神代 龍之介, 犬塚 貞光
福岡大学医学部外科学第2構座, *国立福岡中央病院外科
膵炎が誘因と思われる慢性胃蜂窩織炎の2例を経験した.
症例は65歳,男性および70歳,男性で術前スキルス胃癌が疑われた.術中所見でも胃壁は著明に肥厚し,膵体部と強く癒着し,胃全摘を施行した.しかし切除標本の病理組織診断は慢性胃蜂窩織炎であった.
胃蜂窩織炎はきわめてまれな疾患であり,術前に診断されることはまれである.特にスキルス胃癌との鑑別診断は非常に困難であり,本疾患の存在を熟知しておくことが必要である.
索引用語
chronic phlegmonous gastritis, scirrhous carcinoma, pancreatitis
別刷請求先
酒井 憲見 〒814-01 福岡市城南区七隈7-45-1 福岡大学医学部第2外科
受理年月日
1989年11月8日
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