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第23巻 第3号 1990年3月 [目次] [全文 ( PDF 513KB)]
症例報告

門脈結紮術後に2期的に切除しえた肝細胞癌の1例

永野 浩昭, 門田 守人, 梅下 浩司, 後藤 満一, 左近 賢人, 金井 俊雄, 飯島 正平, 大間知 祥孝, 森 武貞, 岡村 純

大阪大学第2外科, 大阪逓信病院

 55歳男性,右葉の多発肝細胞癌に対しリピオドール化学塞栓術を行った後,1986年1月当科に入院した.腹腔鏡下肝生検にて,非癌部は慢性非活動性肝炎であった.Computed tomography(CT)より算出した右葉の全肝に占める割合は69.5%で,残存肝Rmaxその他の検査より右葉切除は耐術不能と考えられたため,肝左葉の肥大を目的としてまず門脈右枝結紮術を行った.結紮後6週間で著明な右葉の萎縮と左葉の肥大を見た.一般肝機能検査の悪化なく,右葉切除の切除率が51.5%と減少し残存肝Rmaxなどの指標が改善,耐術可能と判断し,門脈結紮後47日目に右葉切除を施行した.術後,肝不全などなく,68日目に退院した.3年1か月後の現在,残肝と右副腎に再発を認めるが生存中である.本法は,経門脈的な腫瘍の進展を防ぎつつ非結紮葉の肥大をえることができ,耐術境界症例に対する安全かつ有効な方法であると考えられた.

索引用語
hepatocellular carcinoma, portal branch ligation, hepatic resection

日消外会誌 23: 782-786, 1990

別刷請求先
門田 守人 〒553 大阪市福島区福島1-1-50 大阪大学医学部第2外科

受理年月日
1989年11月8日

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