症例報告
胆嚢十二指腸瘻・胆嚢結腸瘻を合併した胆嚢癌の1切除例
北川 喜己, 秋田 昌利, 長谷川 洋, 太田 章比古, 吉田 英人, 川辺 博, 梛野 正人1)
名古屋第二赤十字病院外科, 名古屋大学第1外科1)
胆嚢十二指腸瘻・胆嚢結腸瘻を合併した胆嚢癌の1切除例を経験したので報告する.
症例は68歳の女性で右季肋部痛および発熱を主訴に来院した.腹部超音波検査および腹部CT検査にて右季肋部に7×8 cm大の腫瘤を認め,低緊張性十二指腸造影検査にて十二指腸と胆嚢および胆嚢と結腸の間の瘻孔が認められた.
手術は肝S4a+S5+S6切除,右半結腸切除を伴う膵頭十二指腸切除術が施行され,切除標本にて胆嚢十二指腸瘻および胆嚢結腸瘻が確認された.組織学的にはadenosquamous cell carcinomaと診断された.
Stage IV胆嚢癌の予後は不良であるが,本例はリンパ節転移(-)で比較的予後が期待でき,今後も同様な症例には積極的な手術を行うべきであると思われた.
索引用語
cholecystoduodenal fistula, cholecystocolic fistula, gallbladder cancer
別刷請求先
北川 喜己 〒466 名古屋市昭和区妙見町2-9 名古屋第2赤十字病院外科
受理年月日
1989年11月8日
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