症例報告
膵のsolid and cystic tumorの2例
菅野 千治, 須藤 隆之, 佐々木 亮孝, 玉沢 佳之, 豊島 秀浩, 大森 英俊, 阿部 正, 斎藤 和好, 鈴木 克1), 八島 良幸1), 日下 純男1)
岩手医科大学第1外科, 県立宮古病院外科1)
膵のsolid and cystic tumor(SCT)の2例を経験したので報告する.いずれも12歳の若年女子に発生したもので,症例1は腹部腫瘤を主訴とし,症例2は黄疸と全身膵痒感を訴えて来院し,腹部腫瘤を指摘されたものである.腫瘍は大きく,症例1は8.1×8.0 cm,75 gで膵尾部に存在し,膵体尾部切除術を,症例2は7.5×6.5 cm,180 gで,膵頭部に存在し,膵頭十二指腸切除術を行った.腫瘍は線維性の被膜で覆われ,割面では嚢胞変性,出血壊死性変化がみられた.組織学的には腫瘍細胞の充実性,偽乳頭状配列をみ,症例1にはPAP法によるα1-antitrypsin染色を行い,陽性反応を示した.現在,術後6年と7年を経過しているが再発の徴候もなく元気に学校生活を送っている.
索引用語
solid and cystic tumor
別刷請求先
菅野 千治 〒020 盛岡市内丸19-1 岩手医科大学第1外科
受理年月日
1989年11月8日
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