原著
胃癌におけるリンパ節転移度,転移リンパ節個数の検討
朴 常秀, 中根 恭司, 大草 世雄, 岡本 真司, 岡村 成雄, 笠松 聡, 広実 伸郎, 今林 伸康, 山村 学, 日置 紘士郎, 山本 政勝
関西医科大学外科
最近8年間の胃癌治癒切除症例433例,郭清リンパ節10,130個を対象として,リンパ節転移個数,リンパ節転移度と癌の病理学的所見の相関および生存率への影響を検討した.その結果,全433例中,リンパ節転移は196例,転移率は45.3%であり,リンパ節郭清総数は10,130個,リンパ節転移総数は1,316個で,転移度は13.0%であった.深達度別の平均転移個数は,m 0.1個,sm O.4個,pm 2.2個,ss 4.8個,ps(+)6.8個で深達度とともに転移個数は増加していた.また,肉眼型,n番号,脈管侵襲,stageのいずれにおいても,その進行度に相関して,リンパ節転移度,転移個数のいずれも増加していた.また,リンパ節転移個数別の5生率は,0個;81%,1~3個;63%,4~6個;46%,7個以上;29%であり,リンパ節転移個数の多いものほど遠隔成績は不良であった.以上により,リンパ節転移度,転移個数は病理組織学的所見に相関して増加し,予後を規定する因子であることがわかった.
索引用語
gastric cancer, lymphnode metastasis of gastric cancer
別刷請求先
朴 常秀 〒570 守口市文園町1 関西医科大学外科
受理年月日
1989年12月13日
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