胆嚢癌多発地域である新潟県白根地区における胆嚢切除例の臨床病理学的検討

佐藤　好信, 福田　稔, 広田　正樹, 馬場　佳弘^1）, 五十　嵐昭夫^1）, 阿部　実^1）, 吉田　圭介^2）

白根健生病院外科, 同　内科^1），新潟大学第1外科学教室^2）

　目的：胆嚢癌多発地域における診療の実態を明らかにし治療成績の向上を図るため，自根健生病院で過去8年間に経験した33例の胆嚢癌症例を検討し次の結論を得た．
　結果：1．胆嚢疾患の画像診断の強化，特にendoscopicultrasonography（以後EUS）の採用により，胆嚢癌の術前診断率が切除例で83％へと大きく向上した．2．集団検診や人間ドックにultrasonography（以後US）による胆嚢検査を加えた結果，5例の胆嚢癌を発見し，4例を切除出来た．3．早期胆嚢癌の診断はなお難しく，術中半固定標本による肉眼診断は依然として重要であった．4．stage I胆嚢癌の予後は良好で現在まで再発死亡例はないが，stage II以上の予後は悪く，成績改善には肝十二指腸間膜内のより徹底したリンパ節郭清を行う必要がある.

索引用語
carcinoma of the gallbladder

別刷請求先
佐藤　好信　〒951　新潟市旭町通り1番町　新潟大学医学部第1外科

受理年月日
1989年12月13日

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