症例報告
血管造影にて腫瘍濃染像を呈した肝管癌の1例
津留 昭雄, 溝口 博保, 麻生 重明, 大山 和彦, 吉田 浩晃, 久田 宏, 嘉村 好峰, 城谷 徹郎, 木下 寿文, 小須賀 健一, 笹栗 靖之*, 中山 和道, 大石 喜六
久留米大学第2外科,同第2病理*
肝外胆管癌が血管造影で腫瘍濃染像を呈することは比較的まれであるが著者らは腫瘍濃染像を呈した肝外胆管癌の1症例を経験したので報告した.症例は68歳の男性,主訴は上腹部痛,肝機能異常を指摘され入院後,諸検査の結果,胆管癌と診断され手術を施行した.病理組織診断は乳頭管状腺癌であった.血管造影上腫瘍濃染像がどのような原因に由来するものか検討した結果,本腫瘍の間質には毛細血管の増殖が非常に豊富で,この毛細血管内に造影剤がプーリングして腫瘍が濃染したものと思われた.また本腫瘍の発生学上の母組織は,あたかも消化管由来を思わせるごとき特徴を有していた.
索引用語
carcinoma arisen from the right hepatic duct, lesion with hyper vascularity, trachychromatic image
別刷請求先
津留 昭雄 〒830 久留米市旭町67 久留米大学医学部第2外科
受理年月日
1989年12月13日
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