特集
Quality of lifeからみた進行胃癌に対する拡大手術の評価
岩永 剛, 古河 洋, 平塚 正弘, 今岡 真義
大阪府立成人病センター外科
Borrmann 4型胃癌に対する手術のうち,拡大手術としてAppleby法を伴った左上腹内臓全摘術を行った症例の術後状態を,定型手術としての胃全摘・膵脾合併切除術を施行した症例の術後状態と比較した.その結果,拡大手術例の術後状態は,対照例のそれより劣る項目が多くみられた.しかし,その差は少なく,さらにBorrmann 4型胃癌のstage II,IIIでは,拡大手術例の術後生存率が,対照群に比較して良好であったので,このような症例に対しては,この拡大手術を試みてよいと考えられた.
なお,癌患者のquality of lifeというものは,最終的には,患者本人が評価するものであり,その評価は,患者の病状,環境に対する本人の理解程度とともに,本人の人生観,信仰度などにより影響される.すなわち,精神的な成熟度がqualty of lifeを決定する最大の要素であると考えられる,
索引用語
gastric carcinoma, super-extended operation, quality of life
別刷請求先
岩永 剛 〒537 大阪市東成区中道1-3-3 大阪府立成人病センター外科
受理年月日
1989年11月8日
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