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第23巻 第4号 1990年4月 [目次] [全文 ( PDF 377KB)]
特集

Quality of lifeからみた進行胃癌に対する拡大手術の評価

岩永 剛, 古河 洋, 平塚 正弘, 今岡 真義

大阪府立成人病センター外科

 Borrmann 4型胃癌に対する手術のうち,拡大手術としてAppleby法を伴った左上腹内臓全摘術を行った症例の術後状態を,定型手術としての胃全摘・膵脾合併切除術を施行した症例の術後状態と比較した.その結果,拡大手術例の術後状態は,対照例のそれより劣る項目が多くみられた.しかし,その差は少なく,さらにBorrmann 4型胃癌のstage II,IIIでは,拡大手術例の術後生存率が,対照群に比較して良好であったので,このような症例に対しては,この拡大手術を試みてよいと考えられた.
 なお,癌患者のquality of lifeというものは,最終的には,患者本人が評価するものであり,その評価は,患者の病状,環境に対する本人の理解程度とともに,本人の人生観,信仰度などにより影響される.すなわち,精神的な成熟度がqualty of lifeを決定する最大の要素であると考えられる,

索引用語
gastric carcinoma, super-extended operation, quality of life

日消外会誌 23: 959-962, 1990

別刷請求先
岩永 剛 〒537 大阪市東成区中道1-3-3 大阪府立成人病センター外科

受理年月日
1989年11月8日

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