特集
Quality of lifeよりみた膵胆道系癌拡大手術の評価
永川 宅和, 上野 桂一, 太田 哲生, 小林 弘信, 中村 隆, 中野 泰治, 角谷 直孝, 八木 雅夫, 泉 良平, 宮崎 逸夫
金沢大学第2外科
教室では,胆膵系癌の外科的治療成績向上をめざし,1973年末以降より拡大手術の方針をとってきた.膵胆道系癌拡大手術でその成績を報告し,さらに肝膵同時切除,膵頭神経叢切除,No.16リンパ節郭清の点からquality of lifeを検討した.その結果,これに影響するものは,sma神経叢切除が最大と考えられた.膵胆道系癌の現状をみると,局所進展の切除が不完全なことからこれをすぐに評価することは出来ない.今後,胆嚢癌ではPDが増え,肝門部胆管癌ではPDの適応症例は減り,No.16郭清ではその広さについては限られてくるが,深さについてはさらに徹底する必要があり,sma周囲神経叢については,とくに膵癌においては門脈のみならず,smaの合併切除が必要と考えられた.
索引用語
carcinoma of the pancreas and biliary tract, extended operation, quality of life
別刷請求先
永川 宅和 〒920 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部第2外科
受理年月日
1989年12月13日
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