特集
経皮経肝門脈造影と胃食道静脈瘤治療への応用
橋爪 誠, 北野 正剛, 和田 寛也, 田上 和夫, 杉町 圭蔵
九州大学医学部第2外科
胃食道静脈瘤患者で,経皮経肝門脈造影を施行した64症例につき,食道静脈瘤の血流パターンをすだれ型と棍棒型,胃静脈瘤を噴門部型と穹窿部型にそれぞれ分類し,胃食道静脈瘤治療への応用について検討し以下の結果を得た.1.下部食道静脈瘤の棍棒型は,すだれ型に比べ肝機能不良例と吐血既往例が有意に多かった(p<0.05).2.硬化療法後の小血管出現は棍棒型に多く(p<0.05),巨大棍棒型は治療抵抗性で手術の適応と考えられた.3.腫瘤状胃静脈瘤は硬化療法単独では治癒し難く,percutaneous transhepatic obliteration併用ないしは手術の適応と考えられた.以上より胃食道静脈瘤の治療においては血流パターンに応じた治療の選択が重要と考えられた.
索引用語
percutaneous transhepatic portography, selective left gastric venography, treatment of esophagogastric varices
別刷請求先
橋爪 誠 〒812 福岡市東区馬出3-1-1 九州大学医学部第2外科
受理年月日
1989年11月8日
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