特集
Magnetic resonance imagingによる大腸癌リンパ節診断とその治療法への応用
吉田 雅博, 尾崎 正彦, 山本 宏, 有我 隆光, 岡住 慎一, 阿部 恭久, 高山 亘, 山田 滋, 小出 義雄, 磯野 可一, 竜 崇正*
千葉大学医学部第2外科, 千葉県がんセンター消化器科*
結腸癌9例,直腸癌17例,計26例に対しmagnetic resonance imaging(MRI)を施行し,血管走行に沿った撮像面を工夫し,リンパ節描出能について検討した.
腸間膜動脈およびその周囲のリンパ節描出能は不良であった.腹部大動脈,上下腸間膜動脈根部は,冠状断・矢状断像にて明瞭に描出された.骨盤内腸骨動脈系の血管は,今回設定した撮像面を用いることにより全例で明瞭に描出しえた.
腹部大動脈,骨盤内の血管周囲のリンパ節描出率は5 mm以下では164個中39個(24%),5.1~10 mmでは18個中16個(89%),10.1 mm以上では全例が描出された.また転移リンパ節16個中15個(94%)がMRIにて描出しえた.
今回用いた撮像方法により深部リンパ節の診断が可能となり術前のリンパ節郭清範囲決定の指標となるものと考えられた.
索引用語
magnetic resonance imaging, lymph node metastasis of colo-rectal carcinoma1)
別刷請求先
吉田 雅博 〒280 千葉市亥鼻1-8-1 千葉大学医学部第2外科
受理年月日
1989年11月8日
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