特集
モノクローナル抗体を用いた大腸癌肝転移および局所再発に対する腫瘍画像診断
坂本 純一, 渡辺 正*, 加藤 知行, 村山 浩基*, 和田 喜美夫*, 高木 弘*, 中里 博昭
愛知県がんセンター, 名古屋大学第2外科*
H-15は大腸癌培養細胞HT-29の細胞表面に発現している分子量200 Kdの糖蛋白に対するモノクローナル抗体で,認識する抗原決定基はシアル化LewisaとCross Reactivityを有している.H-15は,血清学的,免疫組織学的検索で,大腸癌細胞表面に高率に検出され,他癌や正常組織ではほとんど存在していないことが証明されている.抗体を放射性ヨードでラベルし,ヌードマウス移植ヒト大腸癌に投与したところ,鮮明な腫瘍画像が得られた.大腸癌症例における臨床応用では,0.2~10 mgの抗体を0.2~10 mCiの131Iでラベルし,ガンマカメラを用いて抗体の局在を検討した.抗体投与による重篤な副作用はなく,肝転移20例中4例,局所病変8例中3例において,直接腫瘍画像を描出することができた.
索引用語
tumor imaging, radioiodinated monoclonal antibody, colorectal cancer
日消外会誌 23: 1001-1005, 1990
別刷請求先
坂本 純一 〒464 名古屋市千種区鹿子殿1-1 愛知県がんセンター消化器外科
受理年月日
1989年11月8日
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