特集
In situ hybridizationによるoncogene mRNAの解析―その診断と治療への応用―
八木 孝仁, 堀見 忠司*, 岡林 孝弘, 田中 出, 林 同輔, 三宅 規之, 平川 恵一, 香川 茂雄**, 折田 薫三
岡山大学医学部第1外科, 高知県立中央病院外科*, 医療法人光輝会光輝病院外科**
胃癌の切除標本や生検標本に対して,histo in situ hybridization法(HISH)を用いて,oncogene mRNAの発現程度と生存率や病理学的各因子との関係を検討した.切除標本では,c-Ha-ras mRNAが中等度以上に発現した症例の予後は不良で,2生率も38.9%であった.病理学的因子との検討ではoncogene mRNAの発現が癌のmalignant potencyを反映した分子病理学的因子である可能性が示唆され,生検標本で術前にoncogene mRNAの検索を行うことは,胃癌の診断と治療に有用であると考えられた.
索引用語
oncogene mRNA (c-myc, c-Ha-ras), histo in situ hybridization, prognosis of gastric cancer.
日消外会誌 23: 1022-1027, 1990
別刷請求先
八木 孝仁 〒700 岡山市鹿田町2-5-1 岡山大学医学部第1外科
受理年月日
1989年11月8日
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