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第23巻 第5号 1990年5月 [目次] [全文 ( PDF 507KB)]
症例報告

Emphysematous gastritis の 2例

山本 明, 藤村 昌樹, 平野 正満, 大嶋 眞一, 山本 育男, 松原 聡, 森 渥視, 田中 久富1)

滋賀医科大学第2外科, 水口市民病院外科1)

 今日までに数十例の報告を数えるにすぎないemphysematous gastritisの2例を経験した.
 症例1は自殺目的で60%硝酸を服用した.第17病日,出血をともなう穿孔性腹膜炎により緊急手術が施行された.Retrospectiveには第6病日の腹部単純X線写真で気泡状,線状の胃壁内ガス像が読影できた.症例2は乳頭部癌のため膵頭十二指腸切除術が施行された.18日目膵空腸吻合部近傍のドレーンからの出血と吐血を認めた.25日目の腹部CTで残胃,残膵の陰影は消失し,脾臓内にガス像が見られ,緊急開腹された.Retrospectiveには術後21日目の腹部単純X線写真で食物残渣様の胃壁内ガス像の存在を読影できた.
 胃壁内ガス像は循環障害や腐食剤による壊死部への感染に起因するといわれている.自験例では胃壁内ガス像が胃壊死や穿孔性腹膜炎の臨床症状発現より早期に認められた.本症の存在が念頭にあれば,早期診断が得られ,死亡や重篤化を避けえたと思われる.

索引用語
emphysematous gastritis

日消外会誌 23: 1139-1143, 1990

別刷請求先
山本 明 〒520-21 大津市瀬田月輪町 滋賀医科大学第2外科

受理年月日
1990年1月10日

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