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第23巻 第5号 1990年5月 [目次] [全文 ( PDF 388KB)]
症例報告

肛門から脱出したS状結腸悪性リンパ腫の1例

三崎 真一2), 森本 重利, 露口 勝, 田中 直臣, 惣中 康秀, 坂東 儀昭2), 森住 啓1)

徳島市民病院外科, 病理科1)(現徳島大学第1外科2)

 症例は62歳,女性.肛門からの腸管脱出を主訴として来院.肛門から約10 cmの腸管の脱出を認め,その脱出腸管の先端部に4×4 cmの硬い,不整な腫瘤を認めた.肛門縁からの指診では,示指は脱出腸管の肛門縁との間に全周性に挿入可能であり盲端は触れなかった.以上の所見から腫瘤を先進部としたS状結腸の脱出と診断,低位前方切除術を施行した.腫瘤の組織学的診断は,LSG分類でdiffuse medium sized cell typeであった.
 大腸悪性リンパ腫が腸重積をしばしば合併することは知られているが,その先進部が肛門から脱出した症例はきわめてまれであり,海外に1報告例をみるのみである.

索引用語
intussusception, malignant lymphoma of the sigmoid colon

日消外会誌 23: 1196-1199, 1990

別刷請求先
山崎 眞一 〒770 徳島市蔵本町3-18-15 徳島大学医学部第1外科

受理年月日
1989年12月13日

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