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第23巻 第7号 1990年7月 [目次] [全文 ( PDF 500KB)]
症例報告

血管造影で出血部位が確認され手術しえた結腸憩室大量出血の1例

山口 俊昌, 裏川 公章, 西田 禎宏, 中本 光春, 川北 直人, 西尾 幸男, 川口 勝徳, 植松 清

神戸労災病院外科

 結腸憩室の出血は保存的に止血し,緊急手術を要する症例は少ないとされる.膵炎治療中,下血を来した症例に血管造影を行い,結腸憩室出血を確認し,出血に対する選択的血管造影の有用性を認識した.
 症例は76歳,大酒家の男性,上腹部痛と発熱を主訴に来院,来院時アミラーゼの上昇(血中2,056 u/l,尿中21,850 u/l)を認め,急性膵炎と診断し,保存的に治療していたが,下血が出現した.注腸X線検査で上行結腸に2個,左側結腸に多発する憩室を認め,憩室からの出血を疑った.いったん止血できたが,再度大量出血し,血管造影により右側結腸憩室の出血を確認,右半結腸切除を行った.この症例は膵炎が悪化し,肺炎を合併し死亡したが,消化管出血に対する選択的血管造影の有用性を確認した.

索引用語
colonic diverticular bleeding

日消外会誌 23: 1942-1946, 1990

別刷請求先
山口 俊昌 〒650 神戸市中央区楠町7-5-2 神戸大学医学部第1外科

受理年月日
1990年2月14日

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