Methotrexate/5-fluorouracil時間差投与療法による進行胃癌の治療

小西　敏郎, 真船　健一, 吉田　純司, 平石　守, 三山　健司, 平田　泰, 森　潔, 出月　康夫

東京大学第2外科

　Biochemical modulationにより5-FUの効果を増強するMTX/5-FU時間差投与療法を進行胃癌40例（切除不能18例，再発22例）に施行した．投与法はOK-432を併用し，MTX 100 mg/m²（i.v.）の1時間後に5-FU 800 mg/m²（iv.）を投与する中等量法を主とし，外来患者にはMTX 30 mg/m²の3時間後に5-FU 600 mg/m²を投与する少量法を行った．また両法ともleucovorin resqueを加えた．効果判定可能29例中PR 7例，NC（MR）16（5）例，PD 6例で，奏効率は24％であった．未分化型胃癌に限ると奏効率は35％で，MR例を含めると半数以上（60％）に画像診断上効果が認められた．これに対し分化型胃癌ではPR例もMR例もみられなかった．胸腹水を伴った12例での本法の効果は，腹水例の6例（60％）・胸水の2例はともに本治療により著明に改善した．また治療後の血中MTX濃度の推移も検討した．未分化型胃癌および癌性胸腹膜炎の治療にはMTX/5-FU時間差投与療法は有効な方法であると考える．

索引用語
sequential methotrexate and 5-fluorouracil, advanced gastric cancer, poorly differentiated adenocarcinoma, serum MTX level, malignant effusion

別刷請求先
小西　敏郎　〒113　文京区本郷7-3-1　東京大学医学部第2外科

受理年月日
1990年4月11日

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