先天性胆嚢欠損症の1例

友近　浩, 吉井　健哲, 中川　潤, 原田　仁史^＊

医療法人厚友会高梁中央病院外科, ^＊同内科

　先天性胆嚢欠損症は比較的まれな疾患である．最近われわれは本症の1例を経験したので文献的考察を加えて報告した．症例は72歳男性．右季肋部痛を主訴として来院，腹部超音波検査，computed tomographyにて胆嚢は同定されず，さらに経静脈的胆道造影，内視鏡的胆管造影にて胆嚢および胆嚢管は造影されなかった．上腹部正中切開により開腹したが，胆嚢および胆嚢管は欠損しており先天性胆嚢欠損症と診断した．本症例は総胆管の軽度拡張を認めたが，異常な突起物，索状物などはなかった．

索引用語
congenital absence of the gallbladder, anomalies of the biliary tract

別刷請求先
友近　浩　〒716　高梁市南町53　医療法人厚友会高梁中央病院外科

受理年月日
1990年4月11日

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