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第23巻 第10号 1990年10月 [目次] [全文 ( PDF 361KB)]
原著

ラットにおけるcaerulein刺激下膵外分泌におよぼす肝切除の影響

平野 鉄也, 真辺 忠夫, 戸部 隆吉

京都大学医学部第1外科学教室

 肝切除後の膵外分泌系機能の変化を解明するために,ラットにおいて約70%肝切除後,経時的にcaerulein刺激時のアミラーゼ分泌能を検討した.生体下膵液中のアミラーゼ分泌量は肝切除後4日目,7日目とも単開腹群に比べ1.3倍(p<0.05),1.6倍(p<0.01)に増加した.単離腺房細胞を用いた培養(in vitro)系における肝切除7日後のcaeruleinに対するアミラーゼの最大分泌反応は単開腹群(10-9M)に比べより低い濃度(10-10M)のcaeruleinで得られた.さらに肝切除後4日目,7日目の膵組織アミラーゼ含有量も単開腹群に比べ1.4倍(p<0.05),1.7倍(p<0.01)に増加していた.これらの結果より肝切除後の膵腺房細胞ではアミラーゼ含有量の増加,caeruleinに対する感受性の亢進など,膵外分泌系に著明な変化が生じることが明らかになった.

索引用語
hepatectomy, exocrine pancreatic function, caerulein, amylase

日消外会誌 23: 2339-2342, 1990

別刷請求先
真辺 忠夫 〒606 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学医学部第1外科

受理年月日
1990年6月13日

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